今年度の中学受験が終了したので、結果報告です!
SNSにあるような有名学校への進学や合格体験記ではないので、かなりリアルな最近の受験状況ではないかと思います。最大手塾と違って何がなんでも偏差値が高い学校へ!というご家庭ではなく、地元中学が嫌で。。。というご家庭がほとんどです。
最近ネットで流れている「ゆる受験」に近いのかもしれません。
今年の受験のスタート
今年の受験生はスタートが異色でした。クラスの半分が小6からの受験スタートという塾としても異例の始まりだったのが2023年度でした。
他の集団塾ではほとんどあり得ない状況だとも思います。(もちろん0%というわけではないでしょうが)
通常の中学受験
本来中学受験の市場というのは、小3の2月(塾では小4のスタート時期)から塾に通い始め、3年間の勉強を経て受験に臨むのが通例です。
もちろん途中から中学受験市場への参戦も可能ですが、塾のカリキュラムが小3の2月から小6の夏までで作られていることを考えると、集団塾で途中から始めるのはカリキュラムギャップを埋める労力が必要になるため、ご家庭への負担も増えるので大変です。
今年の子供たちの受験理由
私の教室付近の地域では、「この学校に入学させたい!」という理由よりも、「地元公立中の評判が悪い」とか「小学校の学力平均が全国平均よりも低いので」といった理由で中学受験を考える方が多いです。
女の子は自分でこの学校のこういうところがいい。とかこういう学校で過ごしたい。という目的意識が強いのですが、男の子は親にやらされている感が非常に強かったです。
毎年のことではありますが、男子の方が目標持てないのはいつまで経ってもな気がします。。。幼さが原因でしょうかね?
今年の受験生も大半は、「地元公立中に行かせたくない」という理由でした。
中学受験という選択肢が持てる小学生は私からしたら本当に羨ましいです。
勉強の経過
女の子は毎日自習室で黙々と目標に頑張っていました。わからないところは何度も質問に来たり、自分が何が足りないのか聞きに来たり。自ら行動できていたのが女の子の強みでした。
男の子は、、、自習室でバレないようにゲームしてました。本当に漫画みたいなことするんですよね。THE小学生って感じで憎めませんが笑
ちなみに夏休み明けまで子供たちの模試の偏差値は40にも届いていませんでした。
これだけ聞くと、「塾が何もやっていない」とか、「管理できてない」とか言われそうですが、小6から受験を始めるということは、現実的にこういう数字が突きつけられます。
こういった数字と向き合いながら受験まで走っていかなければならないのです。(塾ではしっかり補講していますが、個別指導も併用した方が効果は高いと思います。あくまで補講ですから。)
もちろん保護者との状況の握り合いや志望校併願校の提案も進めていきます。
それでも塾に通わせるなら偏差値が高い学校に!というご家庭も多いです。個人的には偏差値の高い学校も確かに魅力的ですが、本当に子供に合った学校かどうかも判断材料にして欲しいと思いますし、現状の子供の学力に合わせた学校もしっかりと考えて欲しいと思っています。
偏差値に囚われる親
余談ですが、偏差値に囚われてしまう親はネームブランドを気にしている方が多いです。漫画でよく見る親の感じです。最近は「ゆる受験」が増えたので、「何がなんでもあの学校へ!」というご家庭は減りました。というより最近はそういったご家庭を見ません。
偏差値で学校を判断せずに、教育方針や独自の取り組み、卒業後の進路などを総合的に判断して志望校を決めて欲しいと思っています。
もちろん、その中でも偏差値が高い学校を希望する場合は、ご家庭の協力が必要不可欠になりますし、塾での学習管理や問題演習量の確保が必要になるので、家族での協力と覚悟が必要です。
秋以降の過去問演習
夏休みの総復習を経て、秋以降は入試対策へとカリキュラムが移行します。他塾でも同じようなカリキュラムで進んでいくことでしょう。
それでも小6から始めた子にはまだまだ壁は厚く、秋以降の模試で思うような結果が取れていませんでした。原因はハッキリしていて、小4や小5の内容が定着していないからです。小6から受験勉強を始めているので勉強時間が足りていないことと、復習する時間を家庭で取れていないことが原因です。
中学受験において、小4・小5内容というのは非常に大切な要素です。小4・小5で基礎を身につけ、小6で深掘りしていくカリキュラムですから、小6から始めるということは、初めから鬼ハードモードでゲームをスタートしている感覚と同じです。
ここから先は個人ごとの志望校に対して必要な単元を個人ごとに変えて、それぞれに課題を課していきます。ここで与えられた課題を子供がやり切れるかどうか、保護者がご家庭でやらせ切れるかどうかが分岐点になります。
過去問の進捗
過去問の点数を見ながら、生徒に必要な学習を塾は指示していきます。過去問を実施することで志望校の傾向と対策は可能です。
過去問だけをやればいいというわけではありませんが、中学受験の問題は傾向が大きく変わることが少なく、どんな問題が出やすいのか、どこで得点していけば合格点が取れるのかがわかるツールです。
正しく使えば合格率が大幅に上がりますし、間違って使えば時間の無駄になることもあります。塾や保護者が協力して、正しく管理してあげることが成功のコツです。
月 | 教科 | 得点目標 |
10月 | 算数 国語 理科 社会 | 60〜70% 60〜70% 70〜80% 70〜80% |
11月 | 算数 国語 理科 社会 | 60〜70% 70〜80% 80〜90% 80〜90% |
12月 | 算数 国語 理科 社会 | 75〜85% 70〜80% 80〜90% 80〜90% |
1月 | 算数 国語 理科 社会 | 80〜90% 80〜90% 80〜90% 80〜90% |
1月受験から受験終了まで
1月に入ると地方の出張入試や埼玉入試、千葉入試が始まります。東京や神奈川の入試は2月からなので、1月入試は前哨戦として活用できます。2月入試の入り方を再調整する期間です。アッパーな状態で進めるか、安全校から段階に取っていくか1月の調子を見て決めることができます。
2月の志望校に合わせて、合格を取りたい学校や、自信をつけさせるために受ける学校など目的に合わせて受験をさせます。
今回はチャレンジな併願ではなく確実に合格できて自信につながる併願校を選びました。もちろん受けるかどうかはご家庭の判断となりますが、受験をすることで2月に向けてするべきことを整理できる点や自信を持って2月に臨めるという点では、メリットが多いので受けるべきだと私は考えています。
しっかり1月受験を合格して、次に活かせる点を見つけてきた子や合格を手にして慢心してしまう子など様々いました。未だに隠れてスマホゲームしてしまう男子も…
2月1日
東京・神奈川入試初日。子供たちの本命受験が始まります。
最終的には模試の偏差値は40〜45くらいの子達が偏差値50などの学校を受けていく形になりました。
2月1日午前は1名を除き、全員が第一志望(チャレンジ校)から受験しました。実力相応からスタートした子は午前も午後もしっかり勝ち取れて最高のスタートを切れたと思います。ただ、それ以外のチャレンジ校から受験を始めた生徒たちは午前の学校は取れませんでした。
午後入試は手堅く組んでいたため、全員問題なく勝ち取ることができました。1名こちらの併願を飲んでいただけず、午前午後両方とも不合格だった生徒もいました。
1日目の入り方に関しては、生徒の状況にもよると考えますが、やはり王道は午前チャレンジであれば、午後は手堅くいくべきでしょう。1日目に合格を勝ち取って2日目に進むのか、合格がなく進むのかはその先の受験に大きく影響します。
2月2日以降
2日以降は厳しい戦いでした。1日で実力相応校を合格した子たちはチャレンジ校に挑戦するのみ、安全校のみ合格している生徒は実力相応校をしっかり勝ち取る受験です。
実力相応校はなんとか合格をてにすることができましたが、チャレンジ校の合格がなかなか取れません。やはり首都圏模試偏差値60以上の壁はキツイか…。
午後入試だけの日程や1日空けている生徒もいるので朝から教室を開けて、入試問題の振り返りや解き方の確認をして少しでも合格可能性を高める手伝いをしていきます。
それでも本番は生徒自身が頑張ってきたことを発揮するのみですから、私たちができるのは自信をつけさせて試験に臨ませること。応援することだけです。
2月3日で受験が終了した子や2月5日まで走り抜いた子など、状況は様々でしたが、結果としてチャレンジ校に合格させることはできませんでした。
まとめ
結果として、今年度の受験ではチャレンジ校に合格させることは叶いませんでした。これは私にとって大きな反省点です。しかし、受験勉強を頑張ってきた生徒の努力は決して無駄ではありません。チャレンジ校合格という結果はついていませんが、これから先の学校生活において中学受験をした経験は生かされると思います。
今回の受験を通して感じたこと、考えたことは中学受験は1年で完成させようと思ってはいけない。ということです。1年間で受験をさせようとする場合には個別指導は必須です。また「受験をしない」という選択肢も考えましょう。
1年間で受験させることに親子、家族で覚悟はできていますか?
準備期間が長いに越したことはありません。中学受験を考える場合にはやはり小3のタイミングではないでしょうか?(個別指導の場合にはこの限りではないでしょう。)
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